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2014年03月25日
2014年度神奈川県公立高校入試総括

全日制の実質倍率は1.18倍

新入試制度となって2年目の公立高校入試が終了しました。はじめに2014年度入試の全体概況を振り返ります。

2014年度神奈川県内の2013年5月時点の公立中学卒業予定者数は70,467名で昨年度同時期より1,592名の増加、それに伴い公立高校募集定員は43,760名と1,200名増えました。公立中学卒業予定者数に対する公立高校の募集定員の割合は62.1%と昨年度からわずかに上昇しました。公立高校に願書を提出した受験生は52,540名、志願変更期間に志願先変更等行った受験生は2,817名と初年度入試と比べて出願しめきり日からの検討期間が延びたことで制度の利用者が増えました。2月14日以降の検査を受検したのは51,932名、合格者は43,846名でした。受検後取消者を除いた全日制の実質倍率は1.18倍で昨年度1.17倍からやや上昇しました。定員の増加分以上に全日制公立高校進学を希望する生徒が多く、新制度のもと2回目の入試ということもあって、敬遠せずに「公立高校が第一志望」と考える受験生が多かったことも実質倍率上昇につながったと考えられます。

定員が増やされても重点校の人気は高く、高倍率に

2014年度入試で実質倍率の高かった高校トップ10をご紹介します。2学級以上募集のある高校(学科・コース)を対象としたランキングです。ご覧いただくと、10校全てが県平均の1.18倍を大きく上回る高い倍率となっています。2013年度のトップは市立横浜サイエンスフロンティアの1.67倍、10位は市立桜丘の1.38倍でしたから高倍率校の競争は昨年よりも厳しかったと言えるでしょう。トップ10の中のうち7校は県または横浜市から指定を受けた進学指導に力を入れる重点校です。

2014年度実質倍率トップ10

学校名
募集
定員
2/7
志願者
受検者
欠席者
受検後
取消者
合格
者数
実質
倍率
2013
年度
◇横浜翠嵐
358★
797
753
(44)
107
367
1.76
1.61
神奈川総合(個性化)
130
221
219
(2)
1
130
1.68
1.22
釜利谷
278
422
422
(0)
0
280
1.51
1.12
市立橘
198
299
295
(4)
1
198
1.48
1.25
◇横浜緑ヶ丘
278
421
413
(8)
2
280
1.47
1.51
◆市立横浜サイエンス
フロンティア
238
369
359
(10)
11
238
1.46
1.67
◇湘南
358
602
578
(24)
53
361
1.45
1.57
◇光陵
278★
414
409
(5)
3
286
1.42
1.11
◆市立桜丘
318
457
454
(3)
3
318
1.42
1.38
◇川和
358★
535
516
(19)
10
359
1.41
1.43

◇は県立進学重点校、◆は横浜市立進学指導重点校 ★は2013年度から1学級の募集定員増があった高校

 

県立の学力向上進学重点校18校と横浜市立進学指導重点校4校、計22校の2014年度受検状況は以下にまとめています。志願変更を終えて計9,281名が志願、9,109名が検査を受検し、うち6,626名が合格、22校の平均実質倍率は1.34倍という結果でした。検査当日の欠席者や受検後取消者も多く、2/7時点の志願倍率からは下がったものの、全日制全体の1.18倍と比較すると相当の厳しさだったことが分かります。

重点校はその学校の多くが学力検査に加え、高難度の特色検査を実施します。そんなハードルの高い入試であっても受験生が集まる背景の一つに重点校の大学合格実績の向上があります。横浜翠嵐は2014年度すでに20名の東大前期合格者を出すなど、ここ数年重点校の大学合格実績は注目を集めています。3年後に迎える大学入試まで見据えた高校進学を考えたい中3生にとって幅広い選択の機会が得られる進学重点校での学びは魅力的で、目指す価値があるととらえて挑戦する人が増えています。2013年度は全日制全受検者のうち17.4%、2014年度は17.9%が重点校に挑みました。

2014年度県立進学重点校・横浜市立進学指導重点校の受検状況

学校名
募集
定員
2/7
志願者

志願
変更前
増減

2/7
志願
倍率
受検者
欠席者
受検
倍率
受検後取消
合格
者数
実質
倍率
横浜翠嵐*
358★
797
-38
2.23
753
(44)
2.10
107
367
1.76
横浜緑ヶ丘*
278
421
-62
1.51
413
(8)
1.49
2
280
1.47
市立横浜
サイエンス
フロンティア*
238
369
-11
1.55
359
(10)
1.51
11
238
1.46
湘南*
358
602
-24
1.68
578
(24)
1.61
53
361
1.45
光陵*
278★
414
-7
1.49
409
(5)
1.47
3
286
1.42
市立桜丘
318
457
-15
1.44
454
(3)
1.43
3
318
1.42
川和
358★
535
-24
1.49
516
(19)
1.44
10
359
1.41
多摩
278
399

-4

1.44
392
(7)
1.41
2
280
1.39
追浜
238
333
-20
1.40
332
(1)
1.39
0
240
1.38
柏陽*
318★

459

-16
1.44
450

(9)

1.42
21
318
1.35
横須賀
278
373
-4
1.34
372
(1)
1.34
2
280
1.32
市立金沢
318
424
-24
1.33
419
(5)
1.32
1
318
1.31
横浜国際*
218★
294
-8
1.35
287
(7)
1.32
3
219
1.30
大和
278
366
-19
1.32
360
(6)
1.29
5
280
1.27
鎌倉
278
356
-12
1.28
353
(3)
1.27
1
278
1.27
秦野
358
461
-27
1.29
459
(2)
1.28
5
361
1.26
厚木*
358
463
-22
1.29
457
(6)
1.28
9
358
1.25
相模原
278
350
+5
1.26
348
(2)
1.25
2
283
1.22
希望ヶ丘*
358★
447
-20
1.25
444
(3)
1.24
5
360
1.22
市立南*
198
235
+35
1.19
231
(4)
1.17
3
198
1.15
小田原*
318
367
-6
1.15
366
(1)
1.15
3
322
1.13
平塚江南*
318
359
-17
1.13
357
(2)
1.12
5
322
1.09
重点校計
6,576
9,281
-340
1.41
9,109

(172)

1.39

256
6626
1.34
全日制高校計
43,760
52,499
-2,817
1.19
51,932
(564)

1.19

391

43,849
1.18

*は特色検査実施校、★は2013年度から1学級の募集定員増があった高校

学力検査は理科が難化。合格者平均点にも大きく影響か

新入試2年目の学力検査問題は数学と理科で難化、特に理科の出題レベルが2013年度から上がり、受検者を悩ませました。理科の受検者平均点は2013年度から30点近く下がったと見られ、合格者平均点でも理科の得点の影響は大きい考えられます。その学力検査の合格者平均点や得点分布は県教育委員会より3月末から4月のタイミングで公表されますので、あらためて高校入試最前線で取り上げます。

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